震災当時、泊発電所は福島核災害後の再審査に手間取っており、運転認可がありませんでした。結果、泊発電所の全原子炉は停止後6年を経て冷温停止状態でした。そもそも、核燃料は原子炉の中になく、すべて使用済み核燃料プール(SFP)で冷却中でした。 核燃料は、原子炉での連鎖核反応が終わったあとも核分裂性物質(FP)の崩壊によって熱を発生させます。これを崩壊熱と呼びますが、原子炉停止直後には原子炉熱出力の10%の崩壊熱を持ち、冷却が途絶すると数時間で炉心溶融が生じます。この崩壊熱は1年後に0.2%となり、5年後には一万分の一程度になります。この為、SFPの中の核燃料の崩壊熱によってプールの水が沸騰するまでには電源喪失後一週間以上の時間的余裕があると予想されます。 原子力・核施設の安全を確保する為にとても大切なのは時間的余裕(時間稼ぎ)です。使用から何年も経過した使用済み核燃料は、十分に「冷えて」いて電源