アウトーバーンの風景 有名なドイツの高速道路「アウトーバーン」の元は、「帝国アウトーバーン」だ。1933年に政権を掌握したヒトラーが即座に取り組んだプロジェクトで、ドイツ全土に全長7000kmの高速道路網の建設が計画された。 当時のドイツは、ヴェルサイユ条約の巨額の賠償金のせいで不景気のどん底にあり、膨大な失業者を抱えていた。つまり、「アウトーバーン」計画は、そのドイツ経済を立て直すためにヒトラーが考え出した財政出動の一環でもあった。 さらにヒトラーは、その翌年には「フォルクスワーゲン計画」にも着手する。「国民が休みの日には自動車に乗って遠足できる生活を」というスローガンは、生活苦の只中にいた国民を魅了した。フォルクスワーゲンは、フォルク(=国民)のワーゲン(=車)、アウトーバーンは、アウトー(=自動車)のバーン(=道路)だ。 アウトーバーンの最初の区間は1935年に開通した。国民車の方が