大規模に冠水した岡山県倉敷市真備(まび)町。9日午後、まだ道路一面に5センチほどの泥が残る真備支所の前で、女性が涙を流しながら馬に駆け寄り、3日ぶりの「再会」を喜んでいた。介護老人保健施設、ライフタウンまびで入所者のアニマルセラピーを目的に飼われていたミニチュアホースの「リーフ」。大雨で行方がわからなくなっていた。 リーフが、施設職員の谷本真理さん(49)の方へ顔を近づけると、谷本さんはその顔をいとおしそうになでた。リーフはメスで、9歳。昨年3月に大阪の牧場から施設へとやってきた。 今回の大雨で真備支所は1階部分が冠水。約200メートル南のライフタウンまびにも水が押し寄せ、隣接する農場で放し飼いだったリーフやヤギを助ける余裕はなかった。世話をしていた谷本さんが9日、「泳いで逃げて、助かっているかもしれない」と近くの山へ捜しに行っていたところ、支所近くの民家の屋根にいるのが見つかったという。