とあるきっかけで久しぶりに古い仲間で集まった。好きだった人もそこに来ていた。 好きだった人が少し前に結婚していたことは知っていたけど、結婚してから会うのは初めてだった。 とても幸せそうだった。 周りから祝福されていて、新婚旅行には海外のテーマパークに行ったそうだ。 最近も二人で別の国に遊びに行ったと言っていた。 結婚相手は同じ会社の人で、仕事もできて部署を一人で支えているそうだ。 好きだった人も仕事に一生懸命で、お似合いの二人だと思った。 その人が結婚相手との話をするとき、謙遜するでもなく、嬉しそうにするでもなく、とても自然に「うち」という表現をした。 我が家、家庭、うちの家。 ああ、結婚したんだなと思った。もう私にはまったく手の届かないところへ行ったんだなと。 いまさら好きだった人とどうこうなろうなんて全く思っていなかったけれど、 なんだかほんとうにもう違うところに立っているのだと、私の