2014年6月2日、長年対立していたファタハとハマースの間で合意が成立し、パレスチナ自治区に統一内閣が発足した。 その背景にあるのは7年前に起きた政権分裂である。2006年に行われた立法評議会選挙でハマースが勝利すると、国際社会はパレスチナ政府に対して経済制裁を科した。その後経済危機に陥ったハマース政権は、ファタハとの連立を試みるが結局失敗し、政権は分裂することになった。以降、今回の統一内閣発足まで、パレスチナ自治区は、ガザ地区のハマース政権とヨルダン川西岸地区のファタハ政権という二重政府状態が続いていた。 今回の合意では、その分裂状態がようやく解消されることになった。ファタハとハマースの交渉は予定された期限をやや過ぎたものの、概ね計画通りに組閣人事が合意された。首相には、ファタハのラーミー・ハムダッラーが就任した。ハムダッラーは無党派のナジャフ大学学長で、昨年6月にファイヤード首相の後を