9月30日、10年ぶりのリーグ優勝が決まり胴上げされる西武・辻監督。“山賊打線”と称される強力な攻撃で頂点をつかみ取った 【写真は共同】 本拠地・メットライフドームで福岡ソフトバンクと北海道日本ハムに怒涛の5連勝を飾り、10年ぶりのリーグ優勝を大きく引き寄せた9月19日。この5試合で18打数7安打、3本塁打、9打点と猛打をさく裂させたキャプテン・浅村栄斗は体のケアを終えると、真っ暗なチーム駐車場を引き上げながら12球団最強打線の真価をこう語った。 「いい形で回ってくれば、そのままいい流れで打てます。そういう勢いは、今年はずっとあると思う。誰かが打って、その流れに乗れれば大量得点にもつながるし。そういうゲームがずっとできている」 決して目には見えない「流れ」や「勢い」という無形の力は、今季何度も相手を飲み込んだ。チーム防御率はリーグ最低の防御率4.27だったものの、ともに同トップのチーム打率