昨日のエントリーではレイの「MMT現代貨幣理論入門」の内容から、MMTとは何かを考察しました。本日もその続きから。再度引用します。 ーーーーーーーーーーーーー(レイ「MMT現代貨幣理論入門」p477) ある面において、MMTアプローチは「説明的」である。MMTアプローチは、主権通貨がどのように機能するかを説明する。我々が、キーストロークによって支出する政府について述べ、主権通貨の発行者が貨幣不足に陥ることはあり得ないという時、それはやはり「説明的」である。 国債売却を、中央銀行が金利誘導目標を達成するのを手助けする金融政策の一部に分類することも「説明的」である。そして最後に、変動相場制が最大の国内政策余地を与えると論じる時、これもまた「説明的」である。 一方、機能的財政論は「規範的」な政策の枠組みを提供する。機能的財政論は、主権を有する政府は完全雇用を達成するために財政・金融政策を運営すべ
ランダルレイ「MMT現代貨幣理論入門」にはいろいろと少々聞き慣れない用語もでてきますが、「説明的」と「規範的」という用語もそれにあたるでしょう。 「説明的」、あるいは「記述的」(descriptive)とは、現実を観察して「こうである」と客観分析すること。一方の「規範的」(prescriptive)とは、いわば「こうあるべき」という理念といったところでしょうか。 同書9章6節「結論-MMTと政策」を引用します。 ーーーーーーーーーーーーー(レイ「MMT現代貨幣理論入門」p477) ある面において、MMTアプローチは「説明的」である。MMTアプローチは、主権通貨がどのように機能するかを説明する。我々が、キーストロークによって支出する政府について述べ、主権通貨の発行者が貨幣不足に陥ることはあり得ないという時、それはやはり「説明的」である。 国債売却を、中央銀行が金利誘導目標を達成するのを手助け
<日本は「かつて豊かだった」のではなく、もともと貧しかったのだ。事実、日本の労働生産性の順位はこの50年間ほとんど変わっていない。昔から傑出した技術大国であったという自らの「勘違い」に向き合わねば、日本経済はトンネルを抜けることはできない> 「日本はAI後進国」「衰退産業にしがみついている」「戦略は先輩が作ったものの焼き直しばかり」。ソフトバンクグループの孫正義社長による手厳しい発言が話題となっている。多くの人が薄々、感じている内容ではあるが、公の場では慎重に言葉を選んできた孫氏の性格を考えると、一連の発言は異例であり、事態が深刻であることをうかがわせる。 実際、日本は多くの面で先進国から脱落しており、ここから再度、上位を目指すのはかなり難しい状況にある。私たちには、日本はもはや後進国になったことを認める勇気が必要かもしれない。 数字で見ると今の日本は惨憺たる状況 このところ日本社会が急速
公的年金の将来的な支給水準の見通しを示す年金財政の検証について、政府・与党内からは参議院選挙を前に結果を公表すれば争点化するおそれがあると懸念する声も出ていて、公表は選挙のあとにずれ込むのではないかという見方が強まっています。 5年ぶりとなることしの検証は、中長期の実質経済成長率がプラス0.9%からマイナス0.5%までの6つのケースを想定して行うほか、受給開始年齢を引き上げた場合の支給見通しなども試算することにしていて、政府・与党は検証結果を踏まえて制度改正に向けた議論を本格化させる方針です。 検証結果は5年前の前回は6月初旬に公表され、今回も5月から6月をめどに発表されるとみられていましたが、厚生労働省は「丁寧に作業を進めている」とし、具体的な公表時期は決まっていません。 政府・与党内からは、現役世代が減少し高齢化が進む中、将来の支給水準が現在よりも低くなることは確実で、参議院選挙の前に
私はしばらく前にある方に教えてもらったのですが、2016年の前回米国大統領選挙で民主党の予備選挙を戦ったバーニー・サンダース議員の政策スタッフ(ブレイン)はMMTerだったそうです。 その米国MMTerが書いた記事を日本語に訳された方がいまして、その方のブログを全文コピーしてご紹介します。 サイト管理人はアラフィフの主婦「ありす」さんです。 > 最近になって、「お金って不思議だ!」と気づいてしまったアラフィフ主婦が、経済とお金の情報を収集しています。 興味範囲にスティグリッツ、ジョージ・ソロス、ビル・ゲイツ、ハンス・ロスリングなどなど。 (サイト管理人:ありす) お問合せは下記までお願いします。 info@econmoneycafe.net タグ: サンダース 投稿日: 2016-04-28 Leave a comment (拙訳)長年無視されてきた経済理論が見直されている 2016年3月
ビル・ミッチェル「MMTが論ずるのは『現実が何か』であって、『現実がどうあるべきか』ではない」(2017年4月20日) Bill Mitchell, MMT is what is, not what might be, Bill Mitchell-billy blog, April 20, 2017 これまで定番のように書いてきたことの一つに、「MMTで世界は変わる」症候群とでもいうべき、読者や第二世代MMTブロガーが犯しがちな誤りがある。 あるいは「世の中を良くするために、原則をMMTに変える必要がある」症候群とも言えるだろうか。 MMTがレジームチェンジを求めているという考えは間違いで、そういう考え方ではMMTの核の問題意識から乖離してしまうことになる。 このブログ記事では、そういった症候群やMMTの考えの発展の様々な側面を俎上に上げているが、この作業によって、MMTの核の(初期の)研
クルーグマンが7/15ブログエントリで、財政赤字の有用性を示す図を描いた(下図)。 ここでは民間部門の貯蓄がGDPに対して右上がり、財政赤字が右下がりの線として描かれている(国際収支は省かれている)。その交点が均衡点となるが、ここでは当初は均衡財政であったことを仮定し、従って民間貯蓄も0を仮定している(ただしその当初条件の仮定は本質的な話ではない)。ここで、民間の貯蓄性向が上昇して貯蓄線が上方にシフトした場合に、均衡財政を維持すると、GDPは大きく低下し、大恐慌を招いてしまう。それに対し、今回のように財政赤字を許容すれば、GDPの低下を抑え、せいぜい大不況に留めることができる、というのがクルーグマンの考察である。このことから、財政赤字は世界を救った、というタイトルをエントリに付けている。 このエントリに強く反応したのが、昨日紹介したカンザス集団ブログ「Economic Perspectiv
yasuhiro @yasuhiro392 経済指標で見ても、アベノミクスでデフレ脱却が明らかになっている(そうではないという説明の方が無理)。野党は政策論争しても勝ち目がないので、しょうもないこっとで与党を引きずり降ろそうとしているように見えてしまう。これでは、次の選挙で野党は惨敗しますよ。 2017-04-01 11:20:45 uncorrelated @uncorrelated @yasuhiro392 インフレ率の推移を見ると、ほとんど関係ないような・・・エイプリル・フールでしたっけ? RT @yasuhiro392: 経済指標で見ても、アベノミクスでデフレ脱却が明らかになっている(そうではないという説明の方が無理)。 pic.twitter.com/5BmDn1q5XK 2017-04-01 16:29:35
「人手不足」が社会的な問題となっている。これは、当然ながら企業の経営にも影響を及ぼす問題だ。 7月3日に日本商工会議所が発表した「人手不足等への対応に関する調査」では、「人手が不足している」という回答が最も多かった業種は宿泊・飲食業だった。次いで、運輸業、介護・看護、建設業などが続く。 「数年後(3年程度)の人員の充足感の見通し」については、「現在と同程度の不足感が続く」との回答が52%で最多。さらに、「不足感が増す」との回答も39.8%で、今後はさらに深刻化しそうだ。 東京商工リサーチによると、今年7月の人手不足関連倒産は24件(前年同月は28件)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。内訳は、代表者死亡や病気入院などによる「後継者難」型が16件(同27件)、「求人難」型が7件(同1件)、「従業員退職」型が1件(同0件)だった。 「求人難」型の7件というのは、今年最多だ。1~7月では23件(
世界のGDPに占めるある国のシェアは、世界全体のGDPをW、ある国のGDPをYとして、 ただしコブダグラス型生産関数を仮定している。*1 *2その変化率は、 最後の項はすべての国にとって共通なので、各国を比較する際には無視でき、結局ふつうの成長会計の問題になる。*3 主要各国について比較するとこの通り。*4 *5多くの発展途上国はグラフに含まれていないけど、発展途上国の成長率は比較的高くて当たり前なので気にしなくていい*6。 さてグラフに含まれる各国の中では、労働投入の寄与は日本が最も小さい。というより、むしろマイナス方向に大きく寄与している。日本の労働力人口は1998年をピークにすでに減少に転じている。人口減少だけが原因とは言わないけど、*7それが日本のGDPシェア低下にとって大きな要因なのは疑いない。*8 *1:この仮定は広く使われているもので、Aが全要素生産性、Kが資本投入、Lが労働
以前、進撃の庶民に投稿した拙コラムを、注釈付きで転載したものである。 以前、現代経済学の枠組みにおける不況論(クルーグマンのIt's Baaack論文解説)のコメント欄で有閑爺いさんと論争になったのだが、この際、現代金融制度に関する理解の不足が原因とみられる混乱が見られた。これは有閑爺いさんにとどまらず、世間一般でも理解の不足が問題になっており、それが各種経済論争で混乱や誤りを生む原因になっていることは常々に気になっていたので、ここのコラムでも論じておきたい。 ここで論じる内容は、拙記事として「金融・財政の基礎的理解」で論じており、その基礎から「”自由化されすぎた通貨供給”を国家化すべき理由 ―外部経済性を持つ財としての通貨」、「基軸通貨国アメリカが経常収支赤字を維持すべき理由」、「低成長経済における金融財政政策のトリレンマ」 (及び 成長批判のトリレンマ再訪)などの議論に発展しているの
蓮舫氏が辞めた後の民進党代表選挙に枝野氏と前原氏が立候補していますが、その枝野氏の打ち出す経済政策の背景には「人口減少など社会成熟化による需要そのものの減少」があるそうです。 *1 確かに日本は2008年をピークに人口減少に転じました。 ただ、世界を見渡せば、ロシアやポーランドなど他にも人口減少国はあります。 そこで日本やこれらの人口減少国を含めて世界経済での各国シェアの変動を調べてみました。 図1は1996年時点での名目GDP(ドルベース)の各国シェアとそれから20年後の2016年の名目GDP各国シェアの比をとったものです。 図1 名目GDP世界シェア増減率 元データ出所:IMF WEO April 2017 世界シェアの変動費率は、例えば日本の1996年の名目GDP世界シェアが15.2%で、2016年のそれは6.6%なので、 6.6÷15.2=43.4(%)を日本の世界シェア増減率とし
平素は、はてなダイアリーをご利用いただきありがとうございます。 はてなダイアリーでは、有料オプション「はてなダイアリープラス」の一部として提供している「アクセス解析」機能を、2017年8月7日(月)をもって終了いたします。これは、アクセス解析機能が使用しているツール「はてなカウンター」を終了することに伴うものです。お使いいただいている皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご了承いただきますようお願い申し上げます。 はてなカウンターの終了について はてなダイアリープラスのアクセス解析機能をご利用いただいている場合は、はてなカウンターがサービスを終了する8月7日をもって計測が停止されます。それまでは、はてなダイアリーの管理画面にある「アクセス解析」画面でアクセス数などを確認できます。 はてなダイアリープラスの機能でなく、はてなカウンターを個別にご利用いただいている場合については、はてなカウンター
無茶苦茶ご無沙汰しています。 個人的に色々と忙しいことと、アベノミクスへの期待が失望に変わっていったことからブログの更新を怠っておりました。 さて、久々にブログを更新しようと思ったのは、アベノミクスの現状を端的に示す2枚のグラフをお見せしたかったからです。 言うまでもなく、アベノミクスとは(1)大胆な金融政策 (金融緩和)、(2)機動的な財政政策 (財政出動)、(3)民間投資を喚起する成長戦略 の3本の矢であったはずです。 大胆な金融政策については、GDP比でみたとき、世界金融史上にも例をみないほどのマネタリーベース拡大などがいまも続いています。 また成長戦略についても、有効性はともかくとして、経済特区や働き方改革などなど各種の施策が矢継ぎ早に打ち出されています。 しかし、財政政策についてはどうでしょうか。 図1のグラフは、財務省ウェブサイトに掲げられた一般会計の歳出状況のグラフを分かりや
首相のお膝元で自民党の2回生議員といえば、最近お騒がせの絶叫女性代議士が話題を独占しているが、まじめな政策議論を進めている議員もいる。 自民党の衆議院議員当選2回生の有志が作る「日本の未来を考える勉強会」(代表呼びかけ人・安藤裕・衆院議員)が、政府の掲げる2020年度の基礎的財政収支(プライマリー・バランス=PB)の黒字化目標の撤回と、2019年10月の消費税率引き上げの凍結を求める提言書をまとめたと産経ニュースなどが報じた。 それによると、すでに国会議員27人が賛同しており、7月5日に首相官邸や党執行部に提出する予定だという。 提言書では、デフレから完全に脱却するためには、インフラ整備などの財政的な出動によって経済を成長させることが不可欠だと主張しているという。勉強会は今年4月12日に1回目を開いて以降、すでに6回の会合を開いているが、外部から識者を招いた勉強会のタイトルを見れば、基本的
昨日のエントリで紹介したように、WCIブログの11/6エントリのコメント欄では、RoweとNeo-Chartalistたちの議論が交わされた。 そこから見えてきたNeo-Chartalistの主張を一枚の図で表すならば、以下が相応しいだろう。 これは、「新しい日本銀行─その機能と業務」の第9章「国庫金に関する業務」の図である。Neo-Chartalismの基本的な主張は、貨幣の創出の本質は上図に存しており、中央銀行の紙幣の発行や、国債の発行は、二次的な話に過ぎない、というものなのである。 その意味で、表券主義という訳語よりは、貨幣国定主義という訳語の方が、彼らの主張の核心を言い当てていると言えよう。 議論でNeo-Chartalist側の代表的論客となったスコット・フルワイラーは、紙幣について、次のように述べている*1。 CURRENCY IS RELATIVELY UNIMPORTANT
シェイブテイル @shavetail このウィキペディアの裏側での「信用創造」論争、傍で見ていると、なかなか面白い。 何が面白いって、洗脳されている人は自分が洗脳されていることには全く気がつかないもんだなぁ、と。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E… 2017-04-18 19:51:37 望月慎(望月夜) @motidukinoyoru このノートでは他にも色々と面白いことがわかる。 ウィキペディアでは、出典のあるなしこそが命で、出典がありさえすれば、その説の正当性の検討は必要にならない。 また、通説を載せるのが常道であり、通説の正しさが検討される必要がない。 twitter.com/shavetail/stat… 2017-04-19 07:19:38
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