デフレの弊害の一つが「実質金利が高止まりし、投資が抑制されること」であるという主張がある。 実質金利は通常、以下(wikipedia)のように表される仮想上の金利のことであり、式を見れば分かるように、例え名目金利が 0% であっても、(予期される物価の変動率)、つまり期待インフレ率がマイナスであれば、実質金利はプラスになる。 実質金利 = (預けた時、所有している時の名目金利)-(予期される物価の変動率) デフレの弊害を説く人々は、この名目金利に上乗せされたデフレ分の実質金利が大問題であり、消費や投資の停滞を招いていると主張するわけであるが、筆者にはこのロジックはいまいち腑に落ちない。 筆者は仕事柄、新規投資に対する予測キャッシュフロー等を見ることがあるが、ベースとなる評価において「期待インフレ率」が顔を出すのはあえて言えば「コスト」においてのみである。 多くの場合、初期投資費用や操業費用