現実にあるものを無いと言ったり、黒を白と言い張る人は世間から疎まれる存在です。しかし、その人に権力がある場合は事情が異なります。例えば絶対権力を有する独裁者の言の前では、人々は理不尽さを感じつつも外面上服従しなければならないでしょう。実は経済学の世界にも、主流派経済学の権威を盾に無理を通す一群の経済学者がおります。彼等は人々の現実認識を巧妙な論理を使って歪めています。そうして出来上がった歪んだ経済観を払拭するためには、正確な経済知識が必要です。本日は啓蒙の意味も込めて、理論を見境なく現実に適用しようとする経済学者の愚行について二回に渡ってお話ししたいと思います。今回は専ら理念的な面を、次回は統計的な面を主題にいたします。単純なカラクリさえ見抜けば、「王様は裸である」と堂々と主張できるのです。 主流派経済学の景況感 景気判断は、経済政策の立案に際しての前提条件です。しかし、前回の論考(【第2
![主流派経済学と「不都合な現実」- 青木泰樹 連載【第3回】](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c27a08e629cf2549b2a3f624bcafcf325a95b394/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fasread.info%2Fwp-content%2Fuploads%2F2014%2F10%2F1162.jpg)