シュンペーターとケインズに学ぶ こうした状況下で、現実経済を分析するための理論的フレームワークは如何なる形態をとるべきでしょうか。多様なミクロ主体から成り立つ社会という想定を維持しつつ、現実を分析するための要諦となる学説な何でしょうか。私は、シュンペーターとケインズであると考えます。同時に、両者の論理を統合することが有用であると感じています。 「企業者による革新の遂行によって資本主義経済は発展する」とのシュンペーターの主張から、彼が異質的主体の存在するミクロ的状況からマクロ的状況への効果波及過程を重視していたことは明らかでしょう。さらに経済領域の論理に留まらず、社会領域そして歴史過程さえも視野に収める分析を可能にした彼の方法論的考察に比肩し得る社会学者は皆無であろうと思います。 ただし、彼の経済論理を現代に直接当てはめることは不可能です。現実的に見て、ミクロ的状況が影響を及ぼすのは企業およ
![経済社会学のすゝめ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/016df5612e857892131a2a05785fbe15270fcc6b/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fasread.info%2Fwp-content%2Fuploads%2F2014%2F08%2F1050.jpg)