評価には基準がいる。経済運営は、成長させたら成功、できなければ失敗で良かろう。そうであれば、アベノミクスの評価は、1.6%成長の2013暦年は成功で、ゼロ成長の2014暦年は失敗となる。何が良くて、何がダメだったのか。浜田宏一先生が「アベノミクス経済学」の書と位置づける『世界が日本経済をうらやむ日』を手元に置きつつ、少しばかり考えてみたい。 ……… 新著の内容は、端的に言えば、大胆な金融緩和がいかに景気浮揚に有効かを説明しようとするものだ。基本は、「期待に働きかけ、投資を促す」というものだが、これには議論も多いところだろう。もっとも、金融緩和が通貨安と資産高をもたらし、それが輸出増や消費増を引き出して、この需要により設備投資や雇用が創られるというのであれば、賛同者は、かなり増えるに違いない。 こういう効果があって、2013年は1.6%成長を実現したわけだが、野田民主党政権下の2012年でも
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