太平洋戦争中、日本軍に天気予報に携わる専門の部署があったことは、あまり知られていない。 気象情報は戦時中、軍事機密となり、一般の市民に届けることは禁じられた。いまでいう「気象予報士」たちは、そうした時代を、どう生きていたのか。 決死の作戦に向けて飛び立つ海軍パイロットたちに、予報を伝える任務も担ったことがある男性は「天気は戦争のためのものじゃない」と言葉に力を込める。 そして、「科学が不合理に支配されてはいけない」とも。 「神風なんてね、吹くわけがないと思っていたんですよ。それはわかっていた。でも、そうは言えなかったんです」 こうBuzzFeed Newsの取材に語るのは、元気象庁気象研究所室長で理学博士の増田善信さん(97)。先の戦争では海軍少尉として天気予報に携わっていた、歴史の生き証人だ。 「いい予報を出して、飛び立つ隊員たちに無事に帰ってきてほしいという気持ちがありましたね。もちろ
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