171総合調査「人口減少社会の外国人問題」 2 外国人参政権をめぐる論点 佐藤 令 はじめに 我が国の公職選挙法は、国政選挙においても地方選挙においても、選挙権及び被選挙権を有 する者を日本国民に限定している。我が国を生活の本拠として長い間在住している外国人には、 一定の範囲の参政権 (1) を付与すべきであるという意見がある一方で、主権はあくまでも国民が 有するものであるとして付与に反対する意見も根強い。 我が国の外国人人口は、労働力不足などを背景に年々増加している。諸外国においても、労 働力不足を背景とした外国人の増加が、外国人に参政権を付与する契機となった例もある。増 加する外国人との共生を考える上で、外国人が我が国や居住する地方の政治とどのように関わ るのかは、大きな論点である。近年の住民投票ではその投票権を外国人にも認めているものも 多い (2) 。 外国人参政権につい