「サードウェーブ系男子」がブルーボトルに出かけていくのは必然。両者の背景には流行に流されないというアイデンティティ、「脱消費」という新しい価値観が共有されている。その意味で辛酸氏のネーミングは的を射ていたのだ。 さて、アメリカでの「サードウェーブコーヒー」に代表される新しい価値観とは、リーマンショック以降の意識の変化に伴って生じたものであると社会学者のリチャード・フロリダは指摘する。彼の言葉で言えば「グレート・リセット」になるが、これはつまり「脱消費」的な価値観である。この変化は主に食に現れた。 自然でオーガニックな食材を使った料理が見直され、家庭菜園が定着し、地元の工房がつくったクラフトビールが大流行。フィルターで入れるコーヒー=サードウェーブの登場もこういった食の革命の中から生まれたもの。大量生産型農業、大規模運輸業、そして巨大小売チェーン。これらで構成されるメガフード産業は、現代アメ