ブックマーク / hiko1985.hatenablog.com (7)

  • 坂元裕二『カルテット』最終話 - 青春ゾンビ

    『カルテット』がついに終わってしまった。なんたる幸福な3ヵ月であったことだろうか。坂元裕二の最高傑作か否かという判断は観終えたばかりなので留保するが、間違いなく『それでも、生きてゆく』(2011)、『最高の離婚』(2013)という燦然と輝くマスターピースに肩を並べる作品の誕生である。坂元裕二への強烈な愛を叫びながらも、作家としてのピークはもう過ぎてしまったのではないだろうか、と密かに案じていた自身を恥じ、そして喜びたい。『カルテット』ではこれまでの得意技を更に研ぎ澄まし、時代の空気に適応しながら、新しい領域に果敢に突入している。坂元裕二はまだまだ我々の心をおおいに揺らし続けてくれることだろう。さて、最終話ということですが、物語としてのピークは9話で終えていて、まさにエピローグという印象。これまで鳴らしてきたいくつかのテーマを丁寧に再確認しながらも、”永遠に終わらない”という稀有な感覚を画面

    坂元裕二『カルテット』最終話 - 青春ゾンビ
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    shiba-710 2017/03/23
    “坂元裕二という作家はこの10年間、小沢健二以上に小沢健二な言葉を駆使してきた””サニーデイ・サービス「桜super love」の「きみがいないことは きみがいることだなぁ」というフレーズと完全な共鳴”
  • 坂元裕二『カルテット』7話 - 青春ゾンビ

    素晴らしい!!6話ラストの怒涛の急展開をして、やはり『ファーゴ』なのか!?と盛り上がっているふりをしながらも、満島ひかりの「だいたい7話くらいで坂元さんは・・・ちょっとねぇ」という愚痴に共鳴している自分がいました。しかし、7話においても決しておかしな方向に舵を取らず、これまで積み上げてきたものを礎にしながら、物語が転がっていった事にホッと胸を撫でおろしております。物語の加速度はグングンと上がり、それらがカーチェイスアクションで発露されていく。めくるめくドライバーチェンジを積み重ねるカーアクションの連鎖(一体、この7話で何度の車の乗り下りがなされたのか)は出色の出来栄えだろう。6話、7話とすっかり蚊帳の外の男性陣もいい味を出している。倉庫に閉じ込められた別府(松田龍平)が通路に出した助けを求めるメモが無残にもひっくり返り、雪道でひっくり返っているピクニッククイズボードを家森(高橋一生)が拾う

    坂元裕二『カルテット』7話 - 青春ゾンビ
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    shiba-710 2017/03/02
  • ザ・なつやすみバンド『PHANTASIA』 - 青春ゾンビ

    ぼくたちは何だかすべて忘れてしまうのだけど、ふとした瞬間にある出来事がパッカーンと完璧に詳細に思い出されてしまって、甘く切ないような気持ちに胸を震わせたりする。例えば、懐かしいアニメの主題歌を街で耳にした時。音楽というのは記憶と密接に結びつくものだから、忘れてしまいそうな(忘れたくない)ことがあるならば、メロディにリズムに歌声に、ぜんぶ閉じ込めておくといい。そんなレコードが1枚でもあれば、そいつを再生さえすれば、過ぎ去っていったはずの想いや空気が蘇る。”ノスタルジー”だなんて笑わないで欲しい。全部忘れたくないのだ。それらは燦然と輝き、まだまだ続くぼくたちの進む道を、後ろから照らしてくれるだろう。 ザ・なつやすみバンドがリリースした『PHANTASIA』というレコードは、そんなポジティブなフィーリングに満ちている。前作『パラード』 パラード アーティスト: ザ・なつやすみバンド出版社/メーカ

    ザ・なつやすみバンド『PHANTASIA』 - 青春ゾンビ
    shiba-710
    shiba-710 2016/08/02
    “『ポケモンGO』によって、かつての子ども達が童心に返ったように、それぞれの”なつやすみ”を満喫している2016年夏のサウンドトラック”
  • 小沢健二『魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ』~カルトヒーローのご帰還~ - 青春ゾンビ

    小沢健二のライブツアー『魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ』のZEPP TOKYOでの2日目を目撃してきました。むちゃくちゃ最高でした…まさかの。小沢健二は不気味なキスを振り撒く巨大なポップスターでした。宇多田ヒカルの「嵐の女神」じゃないんですけど、「あなたには敵わない」です。私、元々はあらゆる表現をオザケンマナーで噛み砕んとしてしまう小沢健二原理主義者だったわけですが、年齢を重ねるごとに気持ちは離れ出し、世に言うところの2016年1月20日の「渋谷クアトロ事変」でもって完全に醒めたと言いますか、「いい加減大人になってくれよ、ぼっちゃん」という感じで、「おぉ、これがオイディプス状態ってやつか」と精神的親殺しの神話を気取っていた次第。なので今回のツアーも申し込みすらしていなかったものの、チケットが定価割れしている*1という現状を聞きつけ、親の死に目に駆けつける気持ちで、参加を決

    小沢健二『魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ』~カルトヒーローのご帰還~ - 青春ゾンビ
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    shiba-710 2016/05/27
  • cero『Obscure Ride』 - 青春ゾンビ

    ほんの少し前まで「たとえ今後『My Lost City』以上のアルバムがリリースされなくても、僕はceroを愛し続けるのだな」なんて博愛を気取っていたものだ。 My Lost City アーティスト: cero出版社/メーカー: カクバリズム発売日: 2012/10/24メディア: CD クリック: 97回この商品を含むブログ (37件) を見るそれほどに2012年のこの国の空気を目一杯刻印しながらも、普遍的なポップスタンダードの佇まいを見せる『My Lost City』というアルバムの存在は絶大だった。ところが、3年のブランクを経てリリースされた『Obscure Ride』はどうだ。その大きな存在をビュンと飛び超える堂々たる最高傑作。揺れるヒューマンビートが、ソウルミュージック然としたメロディーが、曖昧でスピルチュアルな物語に見事に奉仕している。はりめぐらされた情報の渦に飲まれそうになる

    cero『Obscure Ride』 - 青春ゾンビ
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    shiba-710 2015/06/04
  • シャムキャッツ『TAKE CARE』 - 青春ゾンビ

    シャムキャッツの新作『TAKE CARE』がリリースされた。ごく普通の街で巻き起こる何気ない日常の1編を切り取り、アルバムとして綴った2014年のマスターピース『AFTER HOURS』の続編にあたるミニアルバム。引き続きジャケットを担当したさぬきなおやのイラストがまずもって素晴らしい。ジッと目の前を見つめる少女に宿る決意のような何か。バンドは、前作で見せたアンサブルの飛躍はそのままに、より普遍的なヴァイブスを放っている。前作のムードを決定づけていた鍵盤の響きは鳴りを潜め、それ以上に多彩なトーンで彩りとエモーションを添えるギターが主役に踊り出ている。これがもう超いい、泣ける。我ながら、なんて幼稚な表現でしょう。しかし、君は「GIRL AT THE BUS STOP」のソロを聞いたか。言語化できない感情のようなものが音として鳴っているではありませんか。そして、何といってもキャリアハイのメロデ

    シャムキャッツ『TAKE CARE』 - 青春ゾンビ
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    shiba-710 2015/03/09
  • AKB選抜総選挙2013 - 青春ゾンビ

    AKBの選抜総選挙はおもしろいのでリアルタイムで観てしまう。100通りの批判を跳ね返すエンターテイメントとしての強度があると思う。正直、大島優子に1位であって欲しいと願ってしまったけれども、指原莉乃の現代のジャパニーズドリームっぷりにはワクワクさせられるものがあります。tofubeatsの「J-POP/NEW TOWN/INTERNET」というのがあったけれども、指原の物語も「J-POP/LOCAL /INTERNET」という感じですよね。2chの「モーニング娘。板」の狼板で固定ハンドルネーム持っていて、複数のアイドルブログを中学時代から書き連ねていたという話も泣けるではないですか。なんでこんなに田舎に生まれたんだろ。ハロショも行けない、ベリもこない。(イベはまぁそれなりにくるけど)遠征もいけない。ハロショで3000円くらい使ってみたいし。なんかすごい気持ち悪くなってきた・・。ああああああ

    shiba-710
    shiba-710 2013/06/10
    曲タイトルとしてすごく秀逸かも→「願わくば次の指原センター楽曲のタイトルは「エッチだってしたのにふざけんな」であって欲しいな、とか思っています」
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