キッチン井筒屋で味わえる、きつねそば。駅そばと味は同じで、関西風のだしだ(滋賀県米原市・キッチン井筒屋) 立ち上る湯気、鼻をくすぐるだしの香り。旅行の途中、思わず一杯食べたくなるのが駅にある立ち食いそば「駅そば」です。そんな駅そばのうち、滋賀県の在来線の駅にある1軒が今春、閉店しました。数年前から利用者が減っていたことに加え、新型コロナウイルス感染拡大が決定打となったそうです。利用者からは閉店を惜しむ声が寄せられているといいます。 滋賀県米原市の米原駅。東海道新幹線に加え、名古屋や京都を結ぶ東海道線、福井や金沢方面への北陸線、さらにはローカル線の近江鉄道も乗り入れる比較的規模の大きな駅です。その在来線5番ホームに、駅前に本社を構える「井筒屋」が経営する立ち食いそば店がありました。 井筒屋は、1889(明治22)年の東海道線全通時に米原駅で駅弁を売り始めたという老舗です。後に駅そばの営業も開