ワインについて友人が語ったことがずっと頭に残っている。 「結局、ワインは、値段が高ければ高いほどおいしいんだと思う」 彼女は某著名料理雑誌で創刊からワインを担当しまくっている。仕事を通して感じた素直な感想だという。「もちろん、結論づけられないし、例外もあるけれど」と言ったうえで、こう付け加えた。 「一度、いいワインの味を知ってしまうと、元には戻れない」 僕自身もたとえば、お酒ならフランスのワインやスコットランドのウィスキーを好んで飲んでいるが、似たような意見を持っている。 高価なほどいい、という意見は料理の世界でたまに耳にする。これほど夢のない話はない。聴いた人をある意味、ガッカリさせる発言である。 ……と書いておいて、さて、ビリヤニの話である。ビリヤニに最適なバスマティ米はいったいどんな銘柄なのだろうか? ワインやモルトウィスキーほど種類はないのだから、作ってみればいい。 今回、この実験