◆自衛隊が直面することになる事態 日本の防衛政策に大きな転換点をもたらすことになる安保法制。自衛隊はこれまでの枠組みを超えて、より積極的に海外に出ていくことになり、同盟国の要請で戦闘に参加することも可能となった。これを「平和貢献」とするか、「戦争参加」ととらえるか、さまざまな議論はあってしかるべきだ。だが、自衛隊が派遣される先で、将来、隊員がどのような状況に直面することになるのか、その準備ができているのかについて、冷静な分析や想定がどれほどなされているだろうか。 武装組織イスラム国(IS)のいるシリアやイラクの戦闘地域に自衛隊がただちに派遣されることはないかもしれない。しかし、同盟国の作戦に組み込まれるかたちで、その周辺国や中東近辺の海域に部隊が送られる状況は、さほど遠くない時期にやってくる。ISは今年発刊された機関誌で、「日本を攻撃対象とする」と宣言した。IS本体でなくとも、自衛隊が活
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