急速にキャッシュレス化が進む中国における決済プラットフォーム、アリペイが提供する「芝麻信用」は、中国の新たな社会インフラとして存在感を増している。個人の様々な行動履歴に基づいた信用スコアは、金融の領域にとどまらずシェアリングエコノミーなどの新たな経済を支えるインフラとなっている。 急速に進展する中国のキャッシュレス化 2004年にサービスを開始したアリペイ(支付宝、Alipay)は、2009年にアリババプラットフォーム上でモバイル決済アプリの提供を開始した。2016年には1.75億件/日の決済を処理したが、うち60%がモバイル上で行われた決済である。アリペイのユーザーは、2017年6月時点で5.2億人で、2016年の年間決済総額は約187兆円にものぼり、ユーザーの決済額平均は日本円で約32万円に達している。 アリペイの決済領域も飛躍的に拡大している。当初のEC決済から始まり、その後QRコー