安倍晋三政権の出足が快調だ。円高とデフレからの脱却に向け日銀に大幅な金融緩和を促すと同時に、2012年度補正予算案と2013年度予算案を矢継ぎ早にまとめた。 市場は円安進展と日経平均株価の上昇で応え、1月末に実施された各種世論調査では、内閣支持率が軒並み昨年末の発足直後から上昇した。 「これ以上ないぐらいのロケットスタートだね」。安倍晋三首相は周囲にこう満足げに語っている。 順調な船出の背景には幾つもの要因があるが、安倍首相に近い議員は「前の政権時の反省が生かされていることが大きい」と指摘する。 ロケットスタートの陰に「失敗の反省」 その1つが、国民の生活に直結する経済の再生に真っ先に取り組む姿勢を強調したことだ。 2006年の第1次安倍内閣では、「戦後レジームからの脱却」を旗頭に、憲法改正や集団的自衛権の行使、教育再生といった保守色が濃い安倍首相がこだわりを持つ政策に就任直後から着手。憲