28兆円の経済対策が決定されたが、確実なのは、補正予算が前年度より0.7兆円増えるということだけで、あとは、前年度との比較で、本当に需要を増加させるものなのかは不透明である。このような需要管理が十分になされていないことが、日本の経済運営の大きな欠陥であるように思われる。 ……… 景気の原動力は、企業活動が反映される設備投資にある。その設備投資は、追加的需要を見ながらなされており、具体的には、輸出、住宅、公共の三つである。バブルが癒えた1995年からリーマンショック前の2008年までは、2四半期前のこれらによって、ほぼ完全に説明できていた。とりわけ、輸出の影響は大きく、これがあって、財政当局は金融緩和による円安を非常に好むわけである。 3需要の最近の動きを、全産業活動指数と日銀実質輸出で見ると、アベノミクス開始の2013年に、公共が持ち上がり、住宅も伸びて、財政出動と金融緩和が上手くかみ合っ