「外国人労働者を入れないと経済が回らない」と言う人がいるけれど、リーマン前だって、バブルのときだって、回ってたんだけどね。有効求人倍率こそ、バブルの1991年の1.40を超えているが、正社員の倍率は、まだ1.14倍だ。バブルの頃は「非正規」という言葉はなかったから、単純には比較できんよ。それで、男性の年齢別就業率を見ると、中心階層は、まだリーマン前に戻った程度で、バブル期とは差があるから、賃金が上がらないのも不思議ではない。 もっとも、緊縮財政のせいで消費が振るわず、上げるにあげられない状況だ。通常の売上が伸びる中での人手不足なら、供給に制約があっても高収益化で補うとか、売上を基に設備投資で省力化を図るとかの手があるが、緊縮で売上が停滞していては、そうも行かない。何がなんでも人手が欲しくなる。それで景気が停滞すると、今度は人を切るしか手がなくなる。こうして、緊縮は国を壊していくわけである。