2024年07月15日 PDFダウンロード ストラテジーブレティン 第358号 「円安悪玉論」だけは看過できない ~日本経済復活の腰を折るな~ 円安進行が止まらない。消費者や中小企業主体の日本商工会議所などの経済団体、少なくないエコノミスト、経済学者などからの悲鳴と批判が巻き起こっている。この「円安悪玉論」を是と見るか非と見るべきか。この問題をおろそかにできないのは、それが政策選択と日本の国益に強く結びついているからである。 円安は購買者から供給者への所得移転、だが一過性 為替論議は極めて単純、円安は①輸出する人(=円を受け取る人・金を稼ぐ人)にプラスに、②輸入する人(=円を支払う人、金を使う人)にはマイナスに、と相対する作用があることが全てである。しかしその対立が事態を紛糾させる。円安批判は後者の立場に立って展開される。円安が困るのは輸入物価が上昇し国民の実質所得を奪うからである。202