2014年11月10日、北京市で安倍晋三首相と習近平国家主席の日中首脳会談が実現した。2011年12月以来、約3年ぶりの日中首脳会談の実現となった。 日中双方の世論で「よくやった」「国益を売り飛ばした」と賛否両論の声があがっているが、個人的にはまずまずのものだったのではないかと評価している。判定に突入したボクシングの試合のように双方が拳をあげ、「勝ったど~!」とアピールできる余地を残しつつ、今後の実務的交渉につなげる一歩を踏み出せたからだ。 というわけで、簡単に今回の首脳会談と今後の課題について考えてみたい。 Claimed by the land of the rising sun. / Al Jazeera English ■日本が勝った?中国が勝った? 直前まで首脳会談実現は決まらなかったが、7日に突破口が開かれた。谷内正太郎国家安全保障局長と楊潔篪国務委員が会談して、4つの合意が発