◇祖母「中学進学が…」 晴れの卒業式は18日に開かれるはずだった。着るのを楽しみにしていたセーラー服、小さな胸いっぱいに膨らませた夢。そんな希望の日々のすべてを、津波は一瞬で奪い去った。宮城県石巻市の市立大川小学校は18日現在、全児童108人のうち、24人しか生存が確認されていない。【百武信幸】 北上川が太平洋に注ぐ河口付近。津波は川を逆流して約6キロ先の小学校を襲った。 地震が起きたのは、下校のバスが出る30分ほど前。心配して車で迎えに来た保護者もいたため、児童を校庭に集めて点呼していた。そこにいた大半の児童と教職員合わせて数十人が波にさらわれた。急いだのだろう、遺体でみつかった子どもたちの多くは上履きのままだった。水は2階建て校舎の屋根がわずかに見えるほどの高さまで達した。 「お姉ちゃんとおそろいのセーラー服を準備して、新しい自転車も買って、一緒に中学校に行けるって楽しみにしていたのに