「4月1日から6月初旬にかけて調査をしたところ、寄居町のヒノキで平年の3・8倍、久喜市のナシでは実に8・2倍のカメムシを確認しました」 気になるのが、その原因。 一部では、この夏に過去最大規模で発生すると予報されるエルニーニョ現象が引き金とも言われているが、「好物のスギの実が少なく、エサとなる他の作物を求めてきたことが原因との可能性が高いです」(科学ジャーナリスト・大宮信也氏) たかがカメムシ、と思う向きもあるかもしれないが、実は、尋常ならざる被害をもたらす害虫なのである。 たとえば、埼玉県ではナシの生産が盛んだが、「カメムシは甘い蜜を好むため、すでにナシにストロー状の口管を差し込み、蜜を吸っている可能性も。すると、その差し込んだ周辺は成育しないため、デコボコの実になり、売り物にならないんです」(前出・埼玉県病害虫防除所)日本人の主食である米も彼らの好物で、カメムシが食した後には大