先週、大津市のいじめ自殺事件の話を書きましたが、こんどは市の教育長が男子大学生(19)にハンマーで頭を殴られ、頭蓋底骨折の大怪我を負う事件が起きました。男子学生は、「テレビやインターネットで報道を見て、教育長が真実を隠していると思い、許せなかった。殺してやろうと思った」と供述しているといいます。 「正義」に反する出来事があると、私たちは無意識のうちに加害者の処罰を求めます。こうした大衆の怒りはマスメディアが代弁しますが、いじめ自殺は当事者が中学生なので、振り上げた拳をどこに下ろすかが大きな問題になります。 今回の事件では、批判の矛先は、生徒たちへのアンケート結果を無視して調査を打ち切った市教委に向けられました。とりわけ教育長が、自殺した生徒の家庭にも問題があったと示唆する発言をしたことで、「責任を被害者に押し付けている」との批判が殺到し、襲撃の引き金になったと思われます。 公立中学でのいじ
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