「売り上げがゼロになった」 埼玉県の町工場が、畑違いの医療分野でヒット商品を生み出せたワケ:世界のスタンダードへ(1/3 ページ) 小説『下町ロケット』やドラマ「スパイラル~町工場の奇跡~」など、町工場が舞台となる作品をたまに目にする。1960年代に日本の工業を盛り上げた町工場は、現在は時代の流れとともにその数を減らしつつある。下火になっているにもかかわらず、町工場を取り扱う作品が支持を集めるのは、事業再建や専門性の高い技術など、日本の「ものづくり力」を感じられるストーリーが埋もれているからだろうか。 ラジコンやミニ四駆のタイヤの製造を手掛けていた創業43年の町工場、寿技研(埼玉県八潮市)もその一つだ。約30年前のミニ四駆の爆発的ヒットに伴い、業績はうなぎ上りだったものの、ピークが去り売り上げはゼロに。 そこから、まったくの畑違いである医療分野に参入する。医師の手術用トレーニングキットを開