農業の世界に飛び込む人たちには、様々なバリエーションがある。なにも若者の就農だけが、農業の未来を左右するわけではない。そんな思いから、大手企業に勤めていた50代半ばの3人組が、定年前に会社を辞め、就農した話を前回紹介した(3月17日「木村カエラが流れる作業場は『大人の秘密基地』」)。 今回はその続編。続橋昌志さん、泉政之さん、水野聡さんの3人がこだわったのは、家庭菜園の延長の趣味的な農業ではなく、ビジネスとして成り立ち、70歳代まで「アクティブシニア」として続けることのできる農業だった。 3人が会社を辞め、「アーバンファーム八王子」を立ち上げたのが2015年12月。発足から1年余りたったいま、セカンドライフを賭けた挑戦はどうなったのか。そのことについて、前回の末尾で簡単に触れておいた。 「自分たちで、自嘲の意味を込めて『後手後手農業』って呼んでます」 40アールで30~40種の野菜を栽培