→紀伊國屋書店で購入 「スパンの長い歴史研究」 二〇一〇年の四月の半ばに、アイスランドの氷河の下の火山が噴火し、空に噴煙を吹き上げた。航空機が飛行する高さまで吹き上がったので、ヨーロッパの空からはほぼ一週間にわたって航空機が姿を消すことになった。ほとんどすべての欧州便が飛行を停止したために、映画『ターミナル』のような空港暮らしを強いられた人々もいたと聞く。 これと同じような噴火が一八世紀末に起きている。一七八三年六月八日のアイスランドのラキガール山の噴火であり、島民の二〇%近くが死亡した。同じ年に日本では浅間山が噴火し、農民に大被害を与え、「日本人の住む土地に大飢饉を引き起こした」(p.97)。 今回の噴火の際の新聞報道では、この「ラキ事件」があたかもフランス革命の遠因となったというような記事が書かれていたが、著者はこの噴火は「フランス革命の原因」とは少しも関係しない(同)と断定している。
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