牛丼チェーン大手の「吉野家」(本社・東京都新宿区)は、国産材を使用した初の店舗を由利本荘市にオープンした。秋田杉の間伐材をふんだんに使っており、建築コストと環境への配慮を両立させた実験的な取り組みだ。数年かけて店舗を検証し、結果次第では「秋田杉使用のさらなる店舗展開も考えたい」としており、秋田杉の利用拡大を目指す県も「大きなチャンス」と期待を寄せている。(金島弘典) 今月1日にオープンしたのは、店舗面積約88平方メートル、22の客席を置く由利本荘市一番堰の「吉野家105号線由利本荘店」。店内に入ると、木目が美しい秋田杉の柱2本が目を引く。店内の壁にも秋田杉の薄い板が内装としてあしらわれ、他の店舗とは趣の異なる「和」の雰囲気が漂う。 吉野家や県秋田スギ振興課などによると、この店舗は、構造物も含め全体の約60%が秋田杉の間伐材で建てられている。吉野家ではこれまで、店舗に木材を使う場合はコスト面