Close Up 激動する世界経済の流れに、日本も無縁ではいられない。政治・経済、企業・産業、社会の注目テーマをクローズアップし、独自の視点、切り口で「詳説」する。 バックナンバー一覧 >>(上)から読む 安価な労働力より 経済成長に不可欠なもの 経済は成長率だけでは理解できない。国民経済の活動を決定づけるものとして実体資本、人的資本、技術・知識などの生産投入要素のほか、制度資本(編集部注:教育や医療、金融、司法、行政などを指す。経済学者の故宇沢弘文が、社会的共通資本の一つとして提唱した)がある。 安価な労働力は、短期的には制度資本の不足を補う上で大きな効果を発揮する。だが制度資本の本質的な代替品には、永遠になり得ない。これこそが中国経済が将来あるいはすでに、必然的に直面するボトルネックであるのだ。 中国は必然的に内需型のサービス業に転換していく。だがサービス業の発展は、制度資本に依存する