政府が「原発ゼロ」を目指すと決定したわずか半月後、Jパワー(電源開発)は大間原発(青森県)の建設再開に踏み切った。原発を減らすはずが、なぜ増える? キツネにつままれた思いの人も多いだろう。一方、次期衆院選で政権に返り咲くとの見方が強い自民党の原発政策は「原発ゼロ」とは、ほど遠い。「原発ゼロ」政策の矛盾や今後は? 2回にわたって探る。【戸田栄、江畑佳明】 「原発政策は、普天間飛行場県外移転の断念、八ッ場ダム着工再開に続いて、国民に不可解な政策転換を印象づけた懸念を抱いています。私を含め党があれだけ苦労してまとめた2030年代に原発をゼロにするという目標をしっかり閣議決定しなかったからこうなってしまったのです」 民主党原発事故収束対策プロジェクトチームの座長を務めた、荒井聡・元国家戦略担当相が憤る。荒井氏は、民主党北海道総支部連合会の代表でもある。大間原発と津軽海峡を隔てて接する道南地方では、