2014年10月05日00:27 カテゴリ本 「在日」というねじれたアイデンティティ 日本人が自分のアイデンティティを意識したことはほとんどないだろうが、世界の中でそういう幸福な民族は少ない。在日韓国人は逆に、世界にも珍しいほど複雑にねじれた歴史を背負っている。それが彼らのルサンチマンになっていることを理解しないで罵声を浴びせる在特会の行動は許されない。 在日が問題にするのは1910年の日韓併合だが、これは本書も認めるように国際法上は合法的な条約で、「侵略」でも「戦争」の結果でもない。それが「義兵闘争」を弾圧した結果だったことは事実だが、彼らの大部分は大韓帝国の兵士であり、それは李王朝以来の封建制と近代的な軍隊の戦いだったから、後者の圧勝に終わった。 もう一つの問題は、戦後処理だ。終戦直後に60万人いた在日朝鮮人は、1952年のサンフランシスコ条約ですべて日本国籍を失った。これを「民事局長