今月6日、ウクライナ軍が奇襲攻撃をかけ、ロシア領内クルスク州へ進軍、東京23区の面積のおよそ2倍にあたる1263平方キロメートルの地域と、92の集落を制圧し、今も進軍を続けている。ロシアは完全に不意を突かれ、効果的な防御ができていない。 この越境攻撃はもちろんロシアのウクライナ侵攻と異なり、自衛権の範囲内の作戦だが、ゼレンスキー大統領は「侵略者(ロシア)の領土に緩衝地帯を作ることがクルスク州での我々の作戦だ」(18日、SNSに投稿したビデオメッセージ)と述べた。 この他にも作戦の目的については、ウクライナ東部のロシア軍を移動させる、投降したロシア兵を捕虜交換に使う、クルスク原子力発電所または欧州への天然ガス輸出の関連施設を占拠するなどさまざまな憶測がある。しかし、おそらく本当の目的は緩衝地帯を作ることや軍事的な目標を達成することよりも、むしろ政治的なものだろう。 一つには、ロシアの核使用の