インターネットが社会の基盤インフラとなりつつある一方、アナログ社会にはなかった新たな危険や落とし穴も増え続けている。この連載では、IT化が進む中で起こるさまざまな事件を、元全国紙記者が独自の取材によりお伝えします。(編集部) ■通称「ハギオギ」と呼ばれていた、ネット上伝説の詐欺師 通称「ハギオギ」と呼ばれていた有名な詐欺師がいる。ネットオークションで大量の出品を繰り返しては落札者からカネをだまし取ったり、あるいは海賊版を出品したこともある。架空請求詐欺にも手を出していた。とにかく、インターネットにからむ犯罪にはことごとく手を出しているという、知る人ぞ知る有名人だった。 ハギオギの名前の由来は、この詐欺師が「萩村忠明(ハギムラタダアキ)」「荻村忠明(オギムラタダアキ)」という2種類の名前を使っていたことからだ。ネット上に姿を現わしはじめたのは、2001年ごろからとみられている。その手口は例え