2003年3月25日、イラクのアル・ファイサリア付近の戦闘で巻き添えに遭い、負傷したアリ少年を抱えるジョセフ・ドワイヤー上等兵。撮影者ウォーレン・ジン氏の追悼文によれば、撮影当時4歳だったアリ少年とは2003年6月に再会できたというが、その後の少年の運命は不明であるという。 左の写真には、アメリカ国民がイラク戦争について2003年の開戦当時に信じたがっていた全てが詰まっている。陸軍衛生兵ジョセフ・ドワイヤー上等兵は、所属する部隊がユーフラテスからバグダッドまで進軍する中、負傷した少年を抱きかかえている。少年は半裸で無力だが、兵士に信頼を寄せている。ドワイヤー上等兵の顔は緊張しながらも穏やかだ。 強靭で私欲なき米国軍兵士のイメージとして、この写真以上のものが考えられるだろうか。イラク戦争がイラク国民の解放という戦勝物語の真っ只中にある頃、米国中の新聞各紙や雑誌が、この写真を大きく取り上げ、ド