企業経営者はどのような考えで経営にあたるべきか。万一、不祥事を起こした時、どう対処すべきか。このテーマについてほぼ1年前の2005年12月、リスク・ヘッジの田中辰巳代表取締役に寄稿いただいた。2007年に入っても企業の不祥事は起きている。田中氏の寄稿を再掲する所以である。 コンプライアンスや企業倫理、CSR(企業の社会的責任)など、危機管理に関わる新たなテーマが次々と登場し、企業の危機管理に対する関心が高まっている。しかし、10年も前からその重要性が叫ばれているにもかかわらず、危機管理をきちんとできている企業は非常に少ない。これは、企業の大半がここ10年に訪れた社会の大きな変化に気づいていないからだと私は考えている。 復興、成長から公平、安全を求める社会に 太平洋戦争が終結した1945年から半世紀が過ぎた10年前。その頃から、戦後の社会に潜んでいたひずみや歪みが顕在化し始めた。例えば、日本
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