プロジェクトマネジメントとは、何もプロジェクトマネジャーという肩書きを持った人たちだけに必要なものではありません。すべての方にとって大いに役立つ考え方なのです。なぜならば、実を言うとすべての人は日常的に多くのプロジェクト活動に関わっているはずだからです。この連載では「きほんのき」を分かりやすく、お伝えしていきます。
福島第一原子力発電所事故の本質を探るという目的でFUKUSHIMAプロジェクト(http://f-pj.org/)を立ち上げたのは、2011年4月のことだった。賛同者から寄付金を募り、それを資金に事故の検証を進め、その結果を書籍というかたちで公表するという枠組みである。この活動の一環として、5月には、日経エレクトロニクス5月16日号で『福島原発事故の本質 「技術経営のミス」は、なぜ起きた』と題する論文を発表し、そのダイジェスト版ともいえる記事を日経ビジネスオンラインで公開した。 ここで私が主張したのは、電源喪失後も一定時間は原子炉が「制御可能」な状況にあったこと、その時間内に海水注入の決断を下していれば引き続き原子炉は制御可能な状態に置かれ、今回のような大惨事は回避できた可能性が高いことである。つまり、事故の本質は、天災によって原子力発電所がダメージを受けてしまったという「技術の問題」では
2010年8月6日、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)が未使用のIPv4アドレスブロック二つをアジア太平洋地域の地域インターネットレジストリーであるAPNICに割り振ったことが明らかになった。 IANAが公開している「IANA IPv4 Address Space Registry」にある割り振り状況を参照すると、今回割り振られたアドレスブロックは「49.0.0.0/8」と「101.0.0.0/8」の二つ。未割り振りのIPv4アドレスは残り14ブロック、総アドレス数に占める割合は約5%となった。 ただし、事実上の残りアドレスブロックは9ブロックとなる。というのも、未割り振りのIPv4アドレスブロックが残り5ブロックとなった段階で、世界に五つある地域インターネットレジストリー(AfriNIC、APNIC、ARIN、LACNIC、RIPE NCC
インターネットマルチフィードとTokyo6to4プロジェクトは2010年6月9日、「Teredo」技術で用いるIPv4/IPv6変換ルーターの接続実験を開始すると発表した。実験期間は2010年6月から2011年11月まで。 TeredoはIPv6のパケットをIPv4上でやりとりするためのトンネリング技術。Windows XP/Vista/7などのOSが対応している。NAT(Network Address Translation)環境でも使える。 この接続実験では、Tokyo6to4プロジェクトがIPv4とIPv6を変換する「Teredoリレールーター」を、JPNAPのIX(Internet eXchange)サービス「JPNAP東京Iサービス」およびIPv6インターネットに接続。これを活用して、IPv4インターネットのユーザーがIPv6インターネットを利用できるようにする。 Tokyo6t
2009年4月9日,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)の「Arcstar IP-VPN」を監視するシステムがウイルスに感染していたことが明らかになった。感染範囲はNTTコムの内部にとどまらず,Arcstar IP-VPNを利用する企業のパソコンまで被害が拡大した。NTTコムのシステム運用の甘さが露呈した格好だ。 Arcstar IP-VPNには,ユーザー企業のルーターを監視する「ルーター監視オプション・サービス」がある。ウイルスに最初に感染したのは,同サービス向けの監視端末である(図1)。 NTTコムが監視端末の感染を知ったのは,2009年4月9日の午前中。Arcstar IP-VPNのユーザー企業から「NTTコム側から不正なパケットが断続的に届いている」との報告があった。この申告に基づきシステムを調査したところ,監視端末のウイルス感染が見付かった。同日13時ごろに全監視端末をネット
コンピュータメーカーや大手SIerなどによる、再々委託禁止の動きはごく当たり前のものになってきた。 既に富士通や伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、CSKシステムズ、新日鉄ソリューションズ(NSSOL)などの大手から中堅SIerまでが、3次の下請けを禁じる「再々委託禁止」の規則を導入(表1)。今回の取材で回答を得られなかったが、取引関係のある複数の企業によると、日立製作所も同様の方針である。 NTTデータと野村総合研究所(NRI)、NECは、現在のところ多重下請けを一律には制限していない。ただし、協力会社が外注を活用する場合は必ず報告と許諾を求めるなどして、下請けの管理を強化している。 再々委託禁止より厳しい外注制限を課すケースも出ている。キーウエアソリューションズやシーエーシー(CAC)は2次への業務委託も禁じるようにしたのだ。また、ある中小SIerは「最近、日本IBMの2次下請けと
皆はどんな現場で,どんな仕事をしているのだろう。何に悩み,どうやって乗り越えているのだろう。プロの仕事とそうでない仕事の境目はどこにあるのだろう。システム開発や運用の現場を歩き,そこで見聞きした面白い話,感動的な話,すごい話を紹介します。 ・大企業からベンチャーまで ぼくはこんな現場を歩いてきた ・SEを潰した値引き 信頼も連帯感も消えた ・期限は明日――若手SEの気迫を見た ・寝不足のプレゼン ドリンク剤も効かず ・中国の開発現場もすごい 若き社長が率いる修羅場 ・オンラインダウン発生! あの日,何もできなかった ・建築設計事務所で見た 巨匠のすごいレビュー ・コンサル泣かせの現場 “小さな王国”の弊害 ・逝去した巨匠への追悼 感激したあの言葉 ・人の話を聞かない40代 あるコンサルの失敗 ・過ぎたるは及ばざるがごとし 作りすぎたRFPの悲劇 ・人間万事塞翁が馬 得難いレクチャーの裏事情
秋田県大館市は2008年12月,市庁舎にIP電話を導入したことを公開した。同市は2005年6月に1市2町が合併して現在の大館市となった。以前の市と町の庁舎を有効活用するため分庁舎制をとっていたが,8庁舎9事務所間の連絡を公衆回線で行っていたため「多大な電話料金が生じていた」(大館市)。2006年,本庁舎の構内交換機を交換する時期に合わせ更新を検討した。電話料金の削減を狙いIP電話を検討したが,ベンダーからの見積もりは約2億円。電話料金の削減をあきらめて従来と同じアナログ交換機を更新する場合でも約2000万円との見積もりだった。 このとき,自前でのIP電話導入を提案した職員がいた。前述の中村芳樹氏である。中村氏は同市商工課の職員。電話網を担当する総務課ではなかったが,趣味で中学生のころからパソコンを使っており,独学でプログラミングも学んでいた。市でIP電話の導入を検討していることを耳にした中
業務アプリケーションを,どこからでも,どのような端末からでも利用できるようにする。このためのミドルウエア製品群を提供し続けている企業が,米Citrix Systemsである。画面情報端末とアプリケーション仮想化で事業を始め,現在では仮想マシン・ソフトのXenを手中に収め,仮想化のレイヤーを拡充している。来日した同社営業部門トップに,仮想化製品とユーザーの動向について聞いた。 製品の拡充動向とビジョンを教えてほしい。 現在の企業をとりまく状況として,企業ユーザーと業務アプリケーションの距離が離れてしまい,利用しにくい環境になっている点が挙げられる。ユーザー側では,グローバル化,オフショア化,テレワーク,モバイル,グリーンITなどの流れによって,アプリケーションが置かれた場所から物理的に遠くなった。一方で,データ・セキュリティやコンプライアンスなどの視点により,アプリケーション側もまた,ユーザ
図1 LANカードを2重化する方法<BR>1枚のLANカードが故障した場合でも通信が継続できる「フォールト・トレランス」,通信の帯域を広げる「リンク・アグリゲーション」,通信負荷に合わせて分散する「ロード・バランシング」の3種類の使い方がある。 高可用性のソリューションでは,サーバーのLANカードを2重化する「チーミング」が一般的になっています。ネットワーク機器を2重化するのに合わせて,サーバーのLANカードも2重化するものです。これにより,ネットワークの耐障害性の強化や負荷分散が可能になります。LANカードを利用するOSからは,あたかも1枚のLANカードとして扱えます。 LANカードの2重化は,通常はOSの機能で実現するものではありません。LANカードとそのハードウエア製造元が提供するドライバ・ソフトを組み合わせて実現します。このため,LANカードを2重化したい場合は,LANカード購入時
「シン・プロビジョニング」というストレージの新常識 ストレージの稼働率を一気に高め,コスト削減と省電力に貢献 ストレージは「仮想化」と親和性が高い。サーバー機などが個々のコンピュータとして扱われてきたのとは異なり,ストレージはそもそもがコンピュータから「論理的なビュー」として扱われてきた。現実の製品実装において,ストレージとはディスク・ドライブの集合体であり,ユーザーやOS/アプリケーションから見たストレージ領域(ボリューム容量)は,「使っているディスク・ドライブは何か?」「そのディスク・ドライブの中の,どの記憶領域を使っているのか?」といった物理的な構成とは独立している。 このようにストレージは,歴史的に見て古くから「論理ビュー」と「物理実装」を分離する仮想化の考え方を採用してきた製品分野である。物理実装はブラックボックスであり,論理ビュー,すなわちボリュームだけを見ていれば,それでよか
プロジェクト・マネジメントのアンチパターンを徹底解説 プロジェクト・マネジメントにはセオリーがある。セオリーを知らずに,あるいは軽視して,失敗するプロマネは少なくない。現場でたたき上げたベテランの凄腕PMが,現場でプロマネがやってはいけないことを解説する。 関連サイト: ■メール編 ■やる気編 ■要件定義編 ■会議編 ■報連相編 ■協力会社対応編 ■品格編 ■課題管理編 ■変更管理編 ■コミュニケーション編 ■外注管理編 ■姿勢・資質編 ■計画&進捗管理編 ■品質編 ■姿勢編 理由無き要求は機能化してはいけない プロジェクト事務局を軽視してはいけない 過去の成功体験にとらわれてはいけない 自己研鑽を怠ってはならない 目的を忘れてはいけない ■プロジェクト完了編 完了条件をあいまいにしてはいけない 完了報告会を省いてはいけない 成功・失敗要因を不明確なままにしてはいけない フィードバックを忘
KDDIの子会社でホスティング・サービスを手がけるKDDIウェブコミュニケーションズ(KWC)は2008年8月22日,仮想化技術を利用したホスティング・サービス「VPSスケーラブルプラン」を9月16日に開始すると発表した。 VPSスケーラブルプランは,1台のサーバー・マシンに仮想的に複数のサーバーを稼働させる,いわゆるVPS(Virtual Private Server)形式のホスティング・サービス。使用する仮想化ソフトウエアは米Parallelsの「Parallels Virtuozzo Containers」。その上でゲストOSとしてLinuxディストリビューションの「CentOS 5」を稼働させ,ルート権限をユーザーに与える。サーバー自体は共用でも,ユーザーは専用のサーバー・ホスティングと同様の感覚でサーバーを利用できる。 同サービスの特徴は,ディスクやメモリ容量に応じた複数のサービ
ユーザー企業のみなさんは、システム開発プロジェクトを進める際、ITベンダーに次のような依頼をしたことはないだろうか。 経営判断でシステムの稼働日は決まっている。だが、肝心の要件は固まっていない。「何としても納期を守ってくれ。要件定義と並行して、仕様が固まっている部分から、開発作業に着手してくれないか」。 すでに開発が済んだ部分について、利用部門から大きな仕様変更の依頼が来た。「予算はもう増やせない。申し訳ないが、最初に契約した金額のままで修正してくれないか。次の案件も御社に発注するから」。 新システムの予算を何とか確保した。あとはこの予算でシステムを開発してもらうだけ。「ハードウエア込み、要件定義から運用設計まで、すべて一括で契約してほしい」――。 頻繁とは言わないまでも、システム開発を進めるうえでは“よくある話”だ。問題があると分かっていても、経営層や他部門からの要請で、こうした依頼を
顧客情報を集めて商品やサービスの開発に生かす「マーケットイン[用語解説]」のモノ作りが全盛だ。 記者自身も少なからず企業を訪ね,「顧客志向のモノ作り」とか「○○社は顧客情報からきめ細かく顧客のニーズを把握して商品開発に生かす」という記事を書いてきた。ところが取材相手から「とにかく顧客に何でも聞いてみたい」「顧客の声は宝の山ですよ」と興奮ぎみに語られるたびに違和感を抱くようになった。 インターネットの普及につれてWebを活用した消費者調査などは手っ取り早く顧客の声を聞くツールとなっている。確かに混迷を極める市場で勝ち残るには,顧客のニーズに迫ることが欠かせない。 しかし,多くの企業が進めているマーケットインのモノ作りはすでにほころびを見せ始めているのだ。商品のライフサイクルが3カ月という清涼飲料水などは,メーカーの開発担当者が自力でモノを生む力を極端に弱めている。 急速に進行しつつある少子高
IPAのイベントで2008年5月28日に行われた学生とIT業界トップの公開対談を聞いていて,一瞬胸を衝かれた。IPA理事長で元NEC 代表取締役社長の西垣浩司氏のこの言葉を聞いたときのことだ。 コンピュータを作ることが本業ではなくなったメーカー 「数として欲しいのは,金融システムなど企業の大型システムに従事する人間。こういった領域では,個人の能力よりは業務ノウハウが重要。プログラマとして優秀であっても,業務を理解しないと,よいシステムができない。技術だけを評価して処遇することは企業としては難しい。天才プログラマのように技術を極めるのであればそれを生かす道に行くべきであって,企業に入って大型システムを開発するのはもったいないか,向いてない」(西垣氏) 必要とされているのは技術ではなく,プロジェクト・マネジメント能力や調整能力。求められているのはメーカーの人材像ではなく,ゼネコンやエンジニアリ
お会いするのは何年かぶりだから、さすがにちょっと老けたかなと思った。でも、せっかちに歩く姿も、甲高い声で熱く語る姿も、昔とちっともかわらない。「1993年からだから、ずいぶん長いですよね」。そう言われて指を折ってみれば15年。その間に、何度も彼に会い、語り、彼と彼の成果について実に多くの記事を書いてきた。 彼とは、中村修二氏のことである。最初に出会ったとき彼は、地方の中小企業に勤務する一技術者だった。ところが、1年も経たないうちに、カリスマ研究者と呼ばれるようになり、やがて「日本としては初めての企業人ノーベル賞候補」と目されるようになる。その彼から「会社を辞める」という連絡をもらったのは、1999年末のこと。地方企業の技術者から米有名大学の教授へと転身し、一躍全国区のヒーローになった。 その彼が古巣の会社からトレードシークレットで訴えられ、その反訴というかたちで、いわゆる「中村裁判」が始ま
このコラムも前回に更新してから間が空いてしまった。編集者からも督促されてしまったが,2月は卒論,入学試験,報告書作成に決算と大学人は忙しい。寝る前に6人分の論文を添削して電子メールで送信すると,起きたときには修正版が届いている。このような生活ではコラムを書く余裕もなかった。ご勘弁を。 さて,大学生と私の関係だが,私は指導教員と呼ばれて,彼らを指導する立場である。しかし,実態は彼らに使われているといったほうがよい。似た立場のものに,IA懇談会がある,これは生産システムに関わる17の標準化団体が情報交換する場であり,私が座長を務めさせていただいている。 丁重な,または卑屈な言葉遣いで分かるように,座長は偉くない。どの団体も世界で一番と思っている猛者である。私の命令で動くほど柔ではない。しかし,ここから製造業XML推進協議会が生まれた。もう一つの成果物が,2004年と2006年に標準化団体が一同
OpenVZは,米SWsoft社が開発した仮想化ソフト「Virtuozzo」のオープンソース版である。SWsoft社はVirtuozzoの最初のバージョンを2001年に出荷した注1。同社はVirtuozzoの普及を狙い,その中核をなす仮想化エンジン「OpenVZ」をオープンソースとして,2005年12月末に公開した(http://openvz.org/)。 有償のVirtuozzoとOSSのOpenVZ 有償版のVirtuozzoは,OpenVZの仮想化機能に加えて,(1)GUI管理ツールの装備(写真1),(2)Linux版だけでなくWindows版も提供,という特徴を持つ注2。価格は,1CPU当たり15万円である。 一方,オープンソース版のOpenVZは,Linux版しか用意されておらず,GUI管理ツールも含まれない。ただし,コマンドラインから管理できる上,仮想化機能そのものはVirtu
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