「アリさんマークの引越社」で知られる「引越社関東」社員の男性(34)が9月30日、労働組合への加入をきっかけに不当な異動や「罪状」と題した懲戒解雇処分を伝える文書を全支店に掲示され名誉を傷つけられたとして、会社を相手に東京地裁で係争中の訴訟に損害賠償を加え、記者会見に応じた。同グループの引越社(名古屋市)や引越社関西(大阪府)も、引っ越し作業で生じた弁償金を従業員に負担させるのは違法だとして8月までに訴えられている。 男性は両手で拡大コピーした懲戒解雇処分の周知文書を持ち、カメラに向けた。「指名手配犯のような紙で見せしめのようなもの。組合に入ることへの脅しです」。顔と年齢を公表し、覚悟の訴えだった。 月393時間だったこともある長時間労働や、男性ら従業員が「あり地獄」と呼ぶ、仕事中の荷物破損や車両事故の弁償を従業員の給与から天引きするシステムに不安を感じ、今年3月、労働組合「プレカリアート