今年、特殊詐欺で使われた電話回線のうち、格安スマートフォンを手掛けるMVNO(仮想移動体通信事業者)の回線が警視庁管内だけで昨年の約50倍に急増していることが12日、捜査関係者への取材で分かった。政府の成長戦略による規制緩和で参入が相次ぐMVNOだが審査が甘いとされ、偽造書類による契約が相次いでいるとみられる。警視庁は、事業者に本人確認を強化するよう要請した。 捜査関係者によると、今年1~10月に都内にかかってきた特殊詐欺とみられる電話で、警視庁が番号などを特定した携帯電話762回線のうち、最多はソフトバンクの385回線(51%)だったが、2番目はNTTドコモなどを押さえ、MVNOの239回線(31%)だった。警視庁によると、うち少なくとも143回線は契約時に偽造身分証が使われていた。 昨年1年間では、携帯電話1073回線中、ドコモが752回線と大半を占め、MVNOは5回線だけだった。