二十四節気は半月ごとの季節の変化を示しますが、これをさらに5日ずつにわけて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候で、これも古代中国で作られました。古代のものがそのまま使われている二十四節気に対し、七十二候の名称は何度も変更されています。日本でも、日本の気候風土に合うように何度か改訂されました。1874(明治7)年の「略本暦」では、それまでと大幅に異なる七十二候が掲載され、現在ではこの七十二候がつかわれています。以下に示すのは「略本暦」による七十二候です。ただし、旧字体は新字体におきかえ、読みも現代仮名遣いに書換えています。 芒種次候(第26候)の「腐草為蛍[かれたるくさほたるとなる]」は、「枯れた草が蛍になる」という意味です。明治15年までは略本暦に記載されていましたが、 どうも嘘っぽいとの理由で明治16年の暦ではこの候だけが外され、明治17年からは七十二候そのものが暦から削除さ