α-GPCはOPCを分化・成熟させ、オリゴデンドロサイトをつくる 私たちは、α-GPC(α-グリセロホスホコリン)にも注目しています。α-GPCは、OPCがミエリン形成担当細胞(オリゴデンドロサイト)になる分化を促進し、再ミエリン化に必要なオリゴデンドロサイトを早く作ります。 α-GPCは脂質で、膜の構成成分であるコリンやホスファチジルコリン合成に欠かせないものです。α-GPCが欠損すると、脳では顕著な脱髄を起こし、肝臓は脂肪肝になります*5。 オリゴデンドロサイトが再ミエリン化を行うとき、軸索を巻くため、自分の細胞体の600~800倍もの大きな風呂敷のような膜を作ります(図版⑩参照)。膜は絶縁体になることから、70~80%が脂質から成ります。その中でも、リン脂質が重要です。 *5 SCIENTIFIC REPORT 6:20995 DOI:10.1038 srep20995 イタリアでは