福岡県筑後市のリサイクルショップを経営し、従業員や親族を殺害したとして逮捕された中尾伸也(47)、妻の知佐(45)両被告(いずれも殺人罪で起訴)。 2人は他の従業員にも、仕事のミスなどを理由に日常的に暴力を振るっていた。のどかな田園地帯にある店内で何が起きていたのか。逃げ出した元従業員らが、異様な支配の実態を明らかにした。 「殴られているのに逃げ出せなかった。思考能力が完全に低下していた」 リサイクルショップ「エース」が開店した2003年に数か月働いた30歳代の男性は、自身が受けた暴力の実態について口を開いた。両被告は当時、一日の大半を店で過ごし、5〜6人の若者を雇っていた。「最初は普通だったけど、だんだん変わっていった」。店で寝泊まりを命じられ、閉店後は説教が始まり、両被告が当時住んでいたアパートの掃除までさせられた。きちんとできなければまた説教。そのうち、様々な「暴力」が始まった