切実で美しい言葉を手向けるAV女優・文筆家の戸田真琴。初監督を務める自伝的な3本の短編作品からなる『永遠が通り過ぎていく』(アップリンク吉祥寺にて4月21日まで)の公開に合わせ、SNS社会で生きる少女たちに向けた、書き下ろしエッセイを掲載します。 SNSをやるくらいなら、日記を書くといい 春から高校生になる女の子から、私の撮った映画の感想をメールでもらった。とても冴えているひとで、むかしの自分を見ているようだ、と言うのもちょっと臆するくらい、感受性にきらめいていた。パンフレットにサインをしているわたしに彼女は、春からSNSを始めようか悩んでいたけど、やらないことにしました。という話をしてくれた。アクリル板越し、春の、ひみつの花びらのように。 私は、SNSをやるくらいなら、高校生である間毎日日記を書くといいよ、そしたら卒業する頃には本になるから。と言って、夜の案外治安の悪い吉祥寺の街へと出て