IoT向けの安価な小型コンピュータとして注目を集める「Raspberry Pi(ラズパイ)」の全シリーズに、GPUが標準搭載されていることをご存じだろうか。 元は教育用途として始まった同デバイスだが、ユーザーが3次元グラフィックスに触れられるよう、米Broadcom社製のメインチップにGPUコア「VideoCore」が搭載されているのである。 IoTやAI技術を手掛ける日本のベンチャー、Idein(イデイン)は、このラズパイ1~3のGPUをディープラーニング(深層学習)推論のアクセラレータとして使えるようにしたことで知られる1)。このラズパイのGPUは米NVIDIA社のGPGPUと異なり、グラフィックス以外の汎用演算を行うための開発環境やツールがチップ開発元から提供されている訳ではない。 本誌が2019年3月号で解説したように、Ideinは当時、公開されている命令セットアーキテクチャ(IS
人の生死や資産に直結する領域にまで手を伸ばそうとしているAIだが、その判断や予測の精度を左右する機械学習の品質については気掛かりなところ。そこで登場したのが、世界でもほとんど例のない、汎用的な品質管理ガイドラインだ。 「機械学習品質マネジメントガイドライン」の目的は? AI(人工知能)の適用は、自動運転をはじめとする機械制御や故障予測、マーケティング分析や投融資判断、個人の信用査定などビジネスにクリティカルな領域へと拡大を続けている。その中でAIシステムに今後ますます厳しく問われるのが安全性や正確性だ。「AIが入っているから大丈夫」というごまかしは、今は通用しない。 どうすればAIシステムの品質を保証できるのだろうか。誰もが納得する答えはまだないようだが、品質を議論するための素地は着々と固められてきている。その取り組みの一つが、今回紹介する「機械学習品質マネジメントガイドライン」だ。 20
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