世界銀行がベトナムの行政機構とその問題点に関して詳細なレポートを発表している。 Vietnam - Vietnam Development Report (VDR) 2010: Modern Institutions レポートの焦点は、地方分権と説明責任に当てられている。その中で、10ページほどを割いてベトナムにおける腐敗(corruption)とそれに対する政府の対応策について説明されている。2005年に包括的な腐敗防止法を制定したものの、道半ばである。市民の感覚としては「昔よりはだいぶマシになったけど、まだまだだね」という感じらしい。このレポートには、さまざまな統計やコラムが掲載されていて興味深い。 腐敗は、ベトナムだけでなく、ほぼ全ての発展途上国共通の問題だ。法制度や政府のガバナンスが未整備の国においては、そもそも行政上の透明なルール自体がなく、多くの決定が官吏の裁量に任されている。