7月23日から開催される予定の東京オリンピック。さまざまな問題がある中で、日本と組織委員会が開催に突き進むのはなぜなのか。数字で考えてみた(イラスト:Jackson Gibbs/The New York Times) オリンピックではいつも数字が物を言う。それもそうだろう。秒、メートル、ポンドといった数字がなければ、「より速く、より高く、より強く」のモットーは成り立たないのだから。数字あってこその、速さ、高さ、強さ、だ。 ところが、東京オリンピックでは1年以上にわたって、これとは別種の数字が話題を独り占めしている。新型コロナ感染者数の増加、高まるリスク要因、ワクチン接種の遅れなどである。 こうした懸念にもかかわらず、東京五輪がこの夏に開催されるのはほぼ間違いない。定員を減らしたうえで国内の観客を入れるとした6月21日の発表によって、開催はさらに確定的なものとなった。開会式まで1カ月を切った