2007年10月25日付朝日新聞朝刊27面『文芸時評』(加藤典洋)に、以下のような文章がありましたのでご紹介。 カラオケが世に出回るようになって世の人々の歌唱レベルは格段にあがった。テレビの素人のど自慢などでも玄人はだしの歌唱者が多い。そのカラオケ効果に似て、インターネットのブログ等を通じ、誰にも、モニター上の電子活字で不特定多数者へのコトバの発信が可能になったことの影響だろう。近頃の新人賞の受賞作に、読むのが苦痛だ、というほどのものは激減している。なかなか読める。「レベル」が上がった。しかし、一方で、ちょうどカラオケからは一定の枠内の歌い手しか出てきにくいというのと同じ(かも知れない)、別の問題が、生まれている。 (※中略) 人間型ロボットの世界を描く押井守監督のアニメ映画「攻殻機動隊」では、機械に代替できない人間の説明不可能な部分がゴースト(幽霊)と面白い呼ばれ方をしているが、ウェブの