軽自動車は元々3気筒、“ガラパゴスエンジン”である。 1気筒あたりの排気量は最適値とはほど遠い220mL。 各社は快適性でなく燃費で戦うことになる。 2輪譲りの小径プラグを生かしてロングストロークにしたエンジンが現れた。 冷却を強化し、点火時期を早めることによってトルク、燃費を向上したエンジンもある。 軽自動車の3気筒エンジンは、これまで紹介してきたような1気筒あたりの排気量を真剣に検討し、最適値を追求してきたものとは違う。3気筒で660mL、1気筒あたり220mLと小さく、振動に関しては贅沢な“多気筒エンジン”なのである。ダイハツ工業が現在開発を進めている2気筒にしても330mLしかなく、まだまだ小さい。 となると、軽自動車用3気筒エンジンの戦いどころは振動ではなく燃費ということになる。スズキは、この1月に登場した新エンジン「R06A」を開発するに当たって、何をおいても燃費を追求した(図